
「会社員を辞めて、心機一転ホテルや旅館を経営したい」「宿泊業で独立したいが、何から始めれば良いのか分からない」というご相談を、当社は全国のお客様から頂いております。
現在、日本全国では家族経営のホテル・旅館を中心に経営者の高齢化が進んでおり、後継者がいないため、経営を続けられる施設であっても売却や事業承継を検討されるオーナー様が増えております。
一方、ホテル・旅館の経営に関心を持つ現役世代も増えています。特に、会社員から独立を目指す方、ホテル・旅館での勤務経験を生かして開業したい方、飲食店や料理人としての経験を宿泊事業に生かしたい方等です。
今回は、初めてホテル・旅館経営に挑戦する方に向けて、物件探しの進め方と注意点、営業中物件を購入するメリットについてご説明します。
最初に経営の目的と希望条件を整理します
物件を探し始める前に、どのような宿泊施設を経営したいのかを整理することが大切です。
ホテル、温泉旅館、民宿、ペンション、ゲストハウス等では、必要となる資金、人員、設備、運営方法が異なります。希望地域、客室数、自己資金、借入可能額、家族で運営するのか従業員を雇用するのか等、基本的な条件を決めておくと物件を比較しやすくなります。
物件代金だけではなく、仲介手数料、登記費用、税金、設備修繕費、備品購入費、当面の運転資金等も必要です。購入後の資金不足を避けるため、余裕を持った事業計画を作成してください。
ホテル・旅館物件は時間をかけて探してください
物件探しは、インターネットで売りホテル・旅館の情報を検索することから始めるのが一般的です。しかし、ホテル・旅館の売却では、従業員や取引先、宿泊客に売却の事実を知られないよう、インターネットに掲載されないケースも少なくありません。
当社では、一般公開している物件のほかに、秘密厳守でお預かりしている極秘物件情報も取り扱っております。公開情報の中に希望する物件が見つからない場合でも、希望地域、予算、施設規模等をお知らせいただければ、条件に近い物件をご紹介できる場合があります。
ホテル・旅館物件は、常に同じ地域で売りに出るものではありません。慌てて購入を決めるのではなく、時期を見ながらじっくり探すことが、希望に合う優良物件と出会うためのポイントです。
営業中物件と休業中物件では必要資金が異なります
物件を検討する際に、必ず確認しなければならないのが「現在も営業中なのか」「既に休業・閉館しているのか」という点です。
休業中の施設は売却価格が安く見えることがあります。しかし、長期間使用されていない建物では、給排水、空調、厨房、浴場、ボイラー、消防設備等に不具合が生じている可能性があります。
近年は建築資材や人件費が上昇しており、客室、浴場、厨房等の改修工事を行うと、当初の想定以上に費用がかかる場合があります。購入価格が安いという理由だけで判断すると、結果的に営業中物件よりも多額の初期投資が必要になることがあります。
営業中のホテル・旅館を購入する4つのメリット
初めて宿泊施設を経営する方には、当社は営業中物件を中心に検討することをおすすめしております。
1.これまでの営業実績を確認できます
営業中物件では、過去の売上、客室稼働率、平均宿泊単価、予約経路、経費等を確認できます。実際の経営数字を基に購入後の収支を検討できるため、事業計画を立てやすくなります。
ただし、売上だけで判断せず、人件費、光熱費、食材費、予約サイトへの手数料、修繕費等も含めて確認する必要があります。
2.予約や顧客基盤を引き継げる可能性があります
営業中の施設には、既に将来の宿泊予約が入っている場合があります。固定客、旅行会社との契約、インターネット予約サイトでの販売実績等を適切に引き継ぐことができれば、購入後の早い段階から売上を見込めます。
予約サイトのアカウントや口コミ評価をそのまま引き継げるかどうかは、各サービスの規定や売買方法によって異なるため、事前確認が必要です。
3.建物や設備の状態を把握しやすくなります
営業中であれば、客室、厨房、浴場、ボイラー、空調、給排水等が実際に使用されています。設備の作動状況や修繕履歴、不具合が発生しやすい場所を売主から確認できるため、購入後に必要となる工事や修繕費を想定しやすくなります。
窓の向こうに季節の木々を望む貸切風呂
写真のような貸切風呂は、宿泊施設の付加価値を高める設備の一つです。木枠の浴槽、畳敷きの脱衣・休憩部分、窓から望む緑等、既存施設が持つ雰囲気や魅力を生かして引き継げることも、営業中物件を購入するメリットです。
なお、浴場設備については、見た目だけでなく、給湯・循環設備、防水、換気、清掃方法、保健所関係の許可等も確認してください。写真のみで設備の状態や泉質を判断することはできません。
4.従業員を引き継げる可能性があります
ホテル・旅館の経営では、フロント、清掃、調理、接客等を担う人材の確保が大きな課題になります。
営業中物件で既存従業員の継続雇用について合意できれば、購入後に一から人材を募集・教育する負担を軽減できます。地域事情や施設の運営方法を理解している従業員は、新しい経営者にとって大変貴重な存在です。
雇用条件や勤続年数、有給休暇、退職金等の取り扱いについては、売買契約前に整理する必要があります。
旅館業許可や消防関係の確認も欠かせません
ホテル・旅館は、建物と土地を購入すれば直ちに営業できるとは限りません。
旅館業の営業許可、飲食店営業許可、浴場関係の手続き、消防設備の点検、建築関係書類等を確認し、購入後に名義変更や新規申請が必要になるかを調べます。営業許可は、不動産の所有権と一緒に自動的に移るものではありません。
営業中物件でも、許認可や契約の承継方法は売買の形によって異なります。購入後に営業できないという事態を避けるため、宿泊施設の売買に詳しい専門家へ早めに相談することが重要です。
売却を検討中のオーナー様は閉館前にご相談ください
売却を検討しているオーナー様にとっても、営業中であることは物件の評価につながる可能性があります。
営業実績、将来の予約、従業員、取引業者、施設の維持管理状況等を買主へ説明できれば、購入後の経営を具体的にイメージしてもらいやすくなります。反対に、先に閉館してしまうと、売上実績が途切れ、設備の劣化や従業員の離職が進み、再開に必要な費用が増えることがあります。
営業を終了するかどうかを決める前に、売却や事業承継の可能性についてご相談ください。
物件探しから購入後の経営まで当社へご相談ください
ホテル・旅館の購入では、物件価格だけでなく、営業実績、建物・設備、許認可、従業員、予約、取引業者等を総合的に調査する必要があります。
当社では、全国のホテル、旅館、民宿、ペンション、ゲストハウス等について、公開物件だけでなく極秘物件も取り扱っております。物件のご紹介、現地調査、収支の確認、売買契約、許認可の手続き、購入後の運営相談まで一貫してサポートいたします。
ホテル・旅館経営に興味をお持ちの方、脱サラして宿泊事業への参入を検討している方、施設の売却や後継者問題にお悩みのオーナー様は、秘密厳守で対応いたしますので、当社までお気軽にお問い合わせください。